距離
「紗枝はね、昔から僕のあこがれだったんだよ。かわいくて、優しくて…」

「昔って…?」

「小学生のころからだよ、覚えてないだろうけど」

裕真は私の頭を撫でる。
「昔紗枝が泣いていたときも、頭を撫でてあげてた。そしたら紗枝は余計に泣くもんだから、困ったよ」

どうしよう。
頭の糸は解けていくのに、話が全く分からない。
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