距離
一緒にお酒を飲むのは始めてだった。
お酒があるなしは、相手との距離による。
つまり、合図なのだ。
『親しくなりたい』という。
自分で考え、自分で赤くなった。


「紗枝さん、どうしたの?」
心配そうにこっちを見る裕真の皿は、ほぼカラになりかけていた。
「…少し、飲みすぎたみたい」
とにこりとし、裕真を待たせないためにパスタを減らす行為に写った。
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