距離
駅までの道で、ふと空を見上げた。

アルコールが頭に集中する感覚のあと、右手に集中した。

右側を見てみると、暗闇だから分かりづらいものの、すごく顔を赤らめた裕真がいた。

お酒に頼るのは嫌いだ。
でも今回は…

私は右手を握りかえす。

今回は、あの綺麗な星たちの力を借りたことにしておこう、と、自分でも都合のよすぎる言い訳をした。


右手はより熱を帯びていき、燃えているようだった。
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