距離

「思い出したの?」

裕真は悲しそうに私の頭を撫でる。



裕真いわく、その日から私の記憶ではなぜか裕真だけがいなくなり、事件の事も忘れていた。

真奈はしばらく姿を見なかったが(多分警察にお世話になっていた)、裕真が許してあげて欲しいとお願いし、何もなかった。
私の記憶がない事を知り、真奈は紗枝に近付いたんだろうと思う、と裕真は言う。

裕真は私に辛い過去を思い出させないために大学を辞めたそうだ。
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