近くて遠い
「……おっけ。ありがとう。」


さぁ、ここからが問題だ。私は男子にメールなどほとんど送らない。

…―ピッ ピッ ピッ
文字を打ち込む。

DEAR:反田君
花那と奈和の友達の弥生って言います。
メール送れてるか分からないんで、着いたらメールください。
FROM:弥生

こんなカンジ?

…―ピッ
画面には送信完了の文字。
「はぁ―…。」

ぼーっとしているとケータイがなった。
知らないアドレス。
開くと

今家着いた。
メールきとるで。

そのあとメールは深夜まで続いた。
男子とのメールがこんなに楽しいとは思わなかった。
これがあなたとの出会いでした。

でも私はこの時、
知りませんでした。
眠りから覚めようとしている感情に。
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