近くて遠い

そんなある日
雅人から電話がかかってきた。

「はい?」

「あっ。弥生? なんか仁が話したいんやって。」

「…はぁ……。」

「…もしもし。」
その声は雅人よりも低かった。

「ん? 何?」

「俺のケータイに電話かけてってくれん?」

「ええけど、番号知らんのやけど…?」

「教えるから、一回切るな。」

「えっ!? ちょっ―…」
…― ツー ツー ツー

何故切る?
電話番号は?
頭の中は?のパレード。

しばらくしてメールがきた。

メールを見て理解した。

「あぁ。メールで番号送るって事ね…」
< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop