最後の恋愛Ⅱ
「・・・もういいっ!!」

如月さんは、キッと私を睨みつけて走り去った。

ああ・・・

また、どっか行っちゃったじゃないか

大丈夫なのかな?

まったくもう・・・

「あの~?」

ふと気付くと、目の前に日下部さんがいる。

何だ?

「ん、どうかした?」

日下部さんは、言いにくそうに、けどどっか興味津々って顔で続ける。

「もしかして、森さんと所長ってお付き合いされてるんですか?」

「はぁ?!」

っと、思わず素の声が出てしまった。

何でだよ、こんな浮気性の男と付き合ったりなんか御免だ!

もう、まだ1週間も経ってないのに2人目だよ?

冗談じゃないって!

「何か、どう見ても怪しいっていうかぁ。」

「まさか、違う違う!そんなことあるわけないじゃない!」

手をあげて否定しつつ、大麦をちらりと見遣った。

おおおおっとぉ

大麦は微笑んでいる。

けど、いつもの仕事の鬼の大麦スマイル鉄火面だ。

目は少しも笑ってない奴だ。

何だ何だ何なんだ~

何だって怒ってんの?
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