最後の恋愛Ⅱ
大和ってば、返事して?



「もうっ、ちゃんと仕事してくださいっ!」

ガタン

立ち上がると同時に椅子が鳴る。

周囲の視線が一気に集まって、ハタと我に返った。

ま・・・まずい。。。

ちらりと大麦を見遣ると、にまりと微笑してこっちを見ている。

涼しい顔しちゃって~~!

誰のせいでこんなことになってると思ってんだ!

「森さん、大丈夫・・・ですか?」

「え?」

日下部さんは変な顔をして、腰を上げている。

「えっと・・・」

(やっぱり変ですよ、絶対何かありますよね?)と続く言葉が見えるみたいだ。

私、超能力がついたんだろうか・・。

そうだよね、そもそも美味しいお茶対決とかってバトルを繰り広げてる時点で、どう考えても―おかしいもんね。

ああ、頭痛い・・・。



困ってる大和も可愛い



のん気なメールだな、おい!

っていうか、困らせて楽しまれても、それも困るんですけど!

ああああ

もう、何なんだこいつ!

自分のいい加減さが、この事態を招いてるんだぞ?

それなのに、どうしてそんな他人事の顔して楽しんだりしちゃうわけさ。

そうだよ、ほんとそれ!

余裕綽々なんだよ。

何で?

何か、やっぱり今朝の大麦から何か変だってば。

「ご、ごめんね、ちょっと、ねぼけてたのかな?さ、仕事仕事。」

日下部さんは、それ以上何も言わずににまっと笑って着席。

寝ぼけてるわけないというのは百も承知ってとこだろう。

あ~もうっ!

もう、イライラする~~~~!
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