最後の恋愛Ⅱ
「まぁ、そうなるのも仕方ないわよねぇ。」

私の頭を撫でて言葉を続ける。

「辛い恋愛ばっかりしてきちゃったんだもんね。」
・・・・

そう・・・だ。

だから、怖い。

大麦は違うって言ってた。

他のこれまでの男と一緒にするなって。

けど、どうしてそう言い切れるの?

違うって証明できる?

絶対だって。

絶対に変わらないって―保障は?

「大麦くんに、はっきり言いなさいよ。」

「・・・」

「ちゃんと返事しなさい。まだ、始まってもいないうちから怖がってても何もならないわよ?」

・・・

分かってる

そんなこと。。

「大麦くんなら、信用しても良い・・・って、自分でもちょっとは思ってるんじゃない?」

大麦なら―って・・・

そう、思ってる自分はいる。

どこかに。

だって、それくらい違う。

ハルとも、これまで付き合ってきた男とも・・・全然違う。

比べられない。

大麦は・・・特別。

「・・・お試し期間、終了ね。」

柳生さんは、ため息混じりに微笑んで、珈琲の入ったカップを手に取った。
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