最後の恋愛Ⅱ
意地悪でも強引でもエッチでも・・・大麦がどんな男でも

・・・好きだ。

ズルズルと鼻をすすりながら、私は自覚した。

どうしたって、この想いから逃れることはできないって、もう・・・分かる。

なら―

「で、どうするの?」

・・・声をかけられて、私は視線を上げた。

柳生さんが、微笑んで首をかしげる。

私は、こくんと小さく頷いた。

「返事・・・します。」

そうするしか、ないもの・・・。

もう、一度知ってしまった感情を消すことなんか・・・

「そうね、それが良いわよ。」

「はい・・・。」

不安だけど

大麦が何て言うか・・・

からかってただけなら・・・?

本気じゃなかったら・・・?

また、ハルの時みたいに二股かけられて・・・捨てられるんなら、最初から愛してなんか欲しくない。

けど・・・

「ここにいたのか」

聞き覚えのある声に、私はハッとした。

見ると、柳生さんの背後から大麦がひょっこりと顔を出した。

いつの間にか、会議室の扉が開いていて、柳生さんが眉をしかめて言った。

「ごめんね、こいつったら、いつの間にかここを嗅ぎつけて来たみたい。あ、私出るね?じゃあ。」

「あ、ありがとうございました。」

柳生さんは、にこっと微笑み、部屋を後にした。
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