最後の恋愛Ⅱ
かくして、決戦の火蓋は切って落とされた。

遊園地前で私はひとり、寒空の中、立ち尽くしている。

如月さんのご到着はまだのご様子。

大麦の姿も見えない。

車で迎えに来ることもなく、ひとりでここまで来た私がどうやら一番乗りらしい。

周囲には、キャイキャイと響く若々しい女子の声が。

おお

あれは、鬨の声か

やるぞ、私は!

「あら、おばさん。」

ぬ・・・

そう言う奴は一人しかいるまい。

ゆっくりと振り返ると、そこにはパンツスタイルでかつガーリーに決めた如月さんが立っていた。

くそ・・・

今日も可愛いな。。。

「やだ、気合入れちゃって・・・マジにならないでよね。」

ほっとけ。

マジもマジも大マジだからな。

この前の私とは一味もふた味も違うってとこ、見せてやるわ!

「隼人さんは、私のものなんだから―。」

けど、その寂しそうな横顔には、ぐっとくるものがある。

若くて可愛いってところが、まず勝ちポイントだよね。
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