最後の恋愛Ⅱ
私には・・・そういうところって・・

いやいや!

待て!

何を弱気になってるんだ、私!

やるんだろ?

一矢報いるんだろ?

だったら強気だ!

強気でいくんだ!

「あ、隼人さ~ん!」

如月さんがぴょんとウサギのように跳ねて声を上げた。

ぎくりとしているのは、私だけだろう。

振り向くのも怖いくらい・・・

けど、脱兎駆け寄る如月さんが、私の隣を掠めて行き、私はゆっくりと顔を向けた。

いつもと違う、カジュアルなスタイルを大麦。

なんか・・

癇に障るけど、なんか、やっぱりカッコいい。

くそぉぉぉ

ぐっとこぶしを握り締めて、顔が赤くなるのを堪えた。

「おはよう」

如月さんはぴったりと大麦の隣に陣取っている。

笑顔がさわやかな大麦の挨拶に、私は根性で微笑み返した。

「おはようございます。」

ひきつるな、私の笑顔!

極上スマイルだ!

大麦を悩殺する笑顔を出せ!

如月さんは、大麦の右側を陣取り、その腕に自分の腕を堂々と絡めている。
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