最後の恋愛Ⅱ
つか、おいおい!

「ちょ、しょ、所長っ?」

私の身体を軽々と抱き上げてデスクの上に座らせる。

「結構、はっきり伝えたつもりだったけど?」

ち、近い!近いよ顔が!

「あ、あの、ここっ仕事場なのでっ!」

私の身体をはさむように手をデスクに置いて、大麦はもう唇がくっつくよというほど顔を近づけて言う。

「俺は別にいいけど、バレるの嫌?」

い、嫌とか、そういう問題ではなくてですね!

と言うにも、大麦の息がかかって、頭が回らない。

ドキドキしてる・・・私。

「それとも、もっとはっきり伝えないといけない?」

「い、い、いけない、って、いうか・・・ってっ」

大麦の唇が私の唇に重なる。

もう、待てないっていうみたいに私の言葉を途中で遮って。

「ん・・・」

ま、待て待て大麦~っ

ちょっと、し、舌がっ

ここをどこだと思ってんだよ、大麦っ!

「ん、ま・・・」

待てってばぁ!

大麦は私が逃げられないように、腕を背中に回して―

こいつ・・・

どこまでする気だよぉぉぉぉぉ!
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