最後の恋愛Ⅱ
最終章 「約束」
「ありがとうございました~」

カシャン

降り場から出てきた私と大麦は手を固く握り締めたまま、一目散に歩いて行く。

足はがくがく

身体は沸騰しそうなぐらいに熱い

大麦・・・も、かな・・・?

私は―

膝から身体が崩れ落ちてしまいそうだ。

「大和」

・・・?

もう、今からの行き先はひとつしかない。

私もすっかりその気だし

っていうか、もうその気しかないし

けど、大麦はぴたっと足を止めて、ふいに私を見下ろした。

「大和」

もう一回名前を呼んで続ける。

「ちゃんと言っとく、俺にはお前しかいない。だから、お試し期間終了ってことで、結婚を前提に付き合ってほしい。」

・・・

ん・・・?

ちょっと、待って。

今の、あんまりにも唐突だし、いきなりだし、この状況でそれ・・・?

しかも・・・

聞きなれないワードを聞いた気がする。

ずっと、誰かに言って欲しかった言葉を、今、すごくサラッと言われたような・・・?

気のせい?
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