最後の恋愛Ⅱ
「返事。」

私は、カッカと燃えそうに熱い頭を冷静にするべく、目蓋を閉じた。

そして、一巡・・・

再び、目蓋を開き

言った。


「お断りします」


予期せぬ言葉に、水を打ったように静まり返る周囲の人々。

そして、思わぬ言葉に硬直する大麦。

私は、ふっと微笑して大麦を見下ろした。

「そんなに、簡単にうまくいくと思った?」

そう言って、腕を組む。

大麦は、こうやってふられることなんか予想してなかったに違いない。

愕然としているのが、その証拠だ。

ちょっと、いやだいぶんいい気味・・・。

これは、ほぼ作戦通りといえるんじゃないだろうか。

けど、まだま。

追い討ちをかけるように私は言う。

「お試し期間の1週間だけじゃ、大麦がどんな男なのかなんか分からないし、まだエッチもしてないし?」

体の相性だって分かんないし。

いや、どう考えても大麦の手練手管はすごそうだけど・・・

いやいや!

何を考えてる私!

「また第2の如月さんみたいなのが出てこないとも限らないでしょ?そんなお軽い男はそもそもゴメンなわけ。」
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