最後の恋愛Ⅱ
ちょっと、微かに紅くなりそうな自分を制御しつつ言う。

「そういうふうに見えた?」

「見えたっ!」

すごく、焦ってる。

私の両手を握り締める大麦の手のひらは汗ばんでいて、緊張してるんだと思った。

うん・・・・

結構、満足だ。

私は、思わずふふっと、笑ってしまった。

それで、大麦も気付いたみたいだ。

「・・・・っ、騙したのかっ?!」

くすっと笑って答える。

「あんないじわるされたんだから、このくらいの仕返し当然でしょ。」

まったく、さんざんやきもきさせられたんだからさ!

「酷いっ。」

「どっちがよ。」

「それは、悪かったって・・けど、こんな・・・。」

「けど、いじわるなんか慣れてないから、すぐバラしてあげたでしょ?大麦みたいな天然いじめっこじゃないもん。」

「ああ、俺はドSだからな。」

私は、笑って大麦の腕に腕をからめた。

「そうそう、ドS大麦。」

ふたりでくすくすと笑い合って、それから―見つめ合う。

「本当に、愛してる。」

私は、じっくりとその言葉をかみ締めて、頷いた。
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