最後の恋愛Ⅱ
「うん・・・、私も。」

「・・・ゆっくり、時間をかけて愛し合いたい。」

そう囁いて、繋いだ手を唇まで寄せて、手の甲にキスを落とす。

くそっ

どこまで、キザなんだこいつ!

いや、負けるもんか。

「じゃあ、私もじっくり愛してあげる。」

大麦は、くすっと微笑み言う。

「嬉しい。」

うう・・・

だめだ、私は紅くなって俯く。

くすって頭上でまた笑った。

大麦の指が、私の指をゆっくりとなぞる。

くそう

いやらしい大麦め

けど、私もすっかりその気なんだ。

いやらしいのは、仕方ない・・・

っていうか、・・・うん、お互い様か!

「それで、プロポーズの返事は?」

おお、覚えてたか!

大麦を見上げて、私はいじわるに微笑した。

「そうね、考えとく。」

「いじわるだな。」

「そう?」

遊園地を出て、大麦の車が停めてある駐車場まで、そんなやりとりをしながら歩く私たちの足取りは

実は、・・・すさまじく素早い。

足がもつれそうなくらい・・・。
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