最後の恋愛Ⅱ
お互い我慢の限界ってとこだ。

なのに、大麦が余裕を見せてくすぐるように笑うから、私はイラついて言った。

「何笑ってるのよ。」

大麦は、ふふんと鼻で笑って言う。

「別に?」

いじわるだな

よし、いじわる返しだ!

「・・・おあずけ、させるよ?」

私にだってこのくらいのいじわるは言わせてもらおう。

大麦は私の耳たぶまで唇を落として囁く。

「もう、欲しくて仕方ないくせに。」

・・・・

「大麦が、でしょ。」

この鬼畜め!

大麦は、不敵に微笑みながら、車のドアを開いた。

「否定はしないな。」

私は大麦と絡めた指を解いて車に乗り込んだ。

大麦も運転席にさっさと乗り込む。

もう人の目なんか今更気にならない。

だから、とりあえず、私たちは抱き合って、すぐにキスをした。

「これからはちゃんと、隼人って呼べよ。」

大麦は、唇を離して指示を出す。

私は、唇が再びくっつくまでに、うんと頷いて答えた。
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