最後の恋愛Ⅱ
「隼人?」

隼人、と大和が口にするよりも早く、思い出された大麦の下の名前で呼ぶ女の声に大和と大麦は、多分ほぼ同時に振り返っていた。

ん?

誰だ?

今、大麦の名前を呼んだ・・この美人は。

スレンダーですらっとしたモデル体系

胸も、Bカップの自分と比べて、ぱっと見ただけでもDカップくらいありそうなこの女は・・・。

もしかして、

いや、もしかしなくとも・・・

「嘘、隼人でしょ?やだ、久しぶり!」

女はつかつかと歩み寄って来て、大麦の前で立ち止まった。

っていうか、こっちは女連れだぞ?

遠慮はないのか?

「どうしてこんなとこにいるの?」

おお、こっちにはおかまいなしだな。

さすがは、若い女は違う。

っていうか

お邪魔でしょうかねぇ

ちらりと大麦を見上げると、あれ?

思ったような困り顔等ではなく、明らかな嫌悪感。

そして、私の腰をぐっと引き寄せて言った。

「悪い、俺デート中。」

はらら、きっぱりはっきりと言いましたね。

どうする?」

女の顔に目を移す。

「え、あ、やだ、これ、お姉さんじゃないの?」

おお、これ。

思わず面白くなるけん制の仕方だな。

と、同時にはぁ~っと空しくなる。
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