最後の恋愛Ⅱ
「大和っ!」

って、大麦の声が背後で聞こえたけど、おかまいなしだ!

大丈夫、コドモじゃないしお金も持ってる。

何だったら仕事もやめて転職したっていいし!





「え、まさか・・・本気で?」

大麦はため息交じりに女を見遣って髪を掻いて答えた。

「オトそうとしてるとこだよっ、くそ、お前マジで・・・!」

ムカツクって言葉を飲み込んできびすを返す。

「ご、ごめんねぇ・・まさか、マジとは思わなくってさぁ・・・」

「うるせぇ!」




美術館の前まで来たものの、情けなさに涙が止まらず立ち往生。

どうせ、追ってきたりしないって。

うう・・・

情けない。

よもや、女とばったり出くわして逃げ出すなんて行為をとることになるとは・・・

「ふ・・・っ」

泣ける

泣くしかないよ。

だって、またまたまたまた騙されてた

うっかり

うっかり好きにさせられそうになってたんだからさぁ!
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