最後の恋愛Ⅱ
「あ、あたり?」

「え、いや・・・」

「あたりかぁ、仕方ないよねぇ、あいつところかまわず食い漁ってたとこあるし。」

くい・・・

その表現もどうなの・・・

「で、もう、しちゃったの?」

「はい?」

「エッチ」

柳生は声をひそめて言った。

けど、私は驚いて身を強張らせた。

「いやいや、まさか!」

「なんだ、まだなの?」

「当たり前ですよ、っていうかまだ付き合ってませんし。」

「え、そうなんだ、何で?告白はされたんでしょ?」

そうだね

確かにされましたよ

けど、あんな女関係だらしなかった人に本当に惚れていいのかと不安なんですよ。

と、は言わずにスパゲッティをほふる。

「まぁ、まだならよく考えてみてもいいかもね。」

「・・・」

何か含みのある言い方ね

「あいつ、本社の事務員ともできてるって話だし。」

・・・

支社の

ほう、会社の中の女にまで手出してるのか

ふたたび芽生える殺意

「しかも、それ、本社の統括部所長の娘さんらしいよ?」

それは・・・

初耳です

「出張で本社に行った時にも、チョメチョメしてたってことねぇ、悪い男。」

チョメチョメって言い方は、古いと思うけど、悪い男には賛同だ。
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