最後の恋愛Ⅱ
第6章 「熱にうかされて」
火曜日の夜

蘭子と久々の飲み

柊に出向いたのも、あれから1週間ぶり

「久々だね大和」

マスターが目の前にグラスを置いて言う。

「お久しぶりです・・・。」

思わずそっと視線を伏せた。

それですぐに理由を察したみたいで、くすくす笑って蘭子の前にグラスを差し出していった。

「ムギと良い感じみたいだな。」

「え、ムギって誰?何よ何よ。」

蘭子は身を乗り出して聞く気満々だ。

私は顔が赤くなっていることを自覚しつつ、いやいやと手を振った。

「べ、別にどうにもなってないし、っていうか付き合ってもないし!」

「何よぉ、1週間前のあんたとえらい違いじゃないの。何、そのムギって人とはどこで知り合ったのよ?」

どこって・・・

返答に困る・・・

「それがさぁ、あいつ半年も片思いしてたんだよ。」

「半年ぃ?それって・・・大和に?」

「そうそう、もう、ボックス席に座ってずっと飲んだくれてる大和を見てたぞ、そりゃストーカーさながらに。」

って、それは・・・怖いね。
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