最後の恋愛Ⅱ
そうか、けど・・・ストーカー・・・ふふ、そういうことになるよねぇ。

あんなイケメンが本気で私に片思いをしてたのかと思うと驚くと同時に信じられないばかりだけど。

カウンターでグチグチ言ってる私を見ながら、ボックス席でお酒を飲んでる大麦の独り寂しい姿を想像すると・・・もはや、失笑だな。

「何、どんな男なの?マスターの知ってる人?」

「ああ、俺の嫁の兄さんでさ、めちゃイケメン。」

「うそ、それって、あのハルくんとの比較だとどれくらい?」

「比べ物にならないよな、大和。」

そこでふられても困るっていうか・・・。

やめて欲しい

顔が熱くなる・・っ

これだから、ここで逢うのは嫌だったんだよぉ

絶対からかわれると思ってたもん

「ムギ愚痴ってたぞぉ、お試し期間中なんだって?」

「何それ、お試し期間?」

おおおおお

ちょっとちょっと

何でもオープンにしすぎでしょうよ

男なのに、口軽くない?

っていうか、抵抗ないのか?

お試し期間なんて、ふざけたこと言われてるのを公言することに!

「いや・・いや、だって、ほら、まだ好きかどうかなんて分からないしさ。」

慌てて答えてグラスの中のカクテルを一気に喉に注いだ。

「ちょっと、またそんな一気飲みしたら・・・あっ」

あれ・・・?

あららら・・?

グラグラする

頭の中が回ってる

酔ったのか?

でも、まだこれ一杯目・・・

一杯目なのにな?
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