最後の恋愛Ⅱ
「そ、そうですか。えっと・・・?」

「あ、私、如月弥生っていいます。」

にこっと微笑むその人懐っこい笑顔までも可愛い。

っていうか・・今、大麦のこと名前で・・・

あ、この子か

柳生さんの言ってた・・・

本社統括部所長の娘さん

っていうか・・・

そうか・・・

私は、「仕事のできる部下」枠か・・・

なんだか、大麦が見れなくて、そのまま如月を見ながら言う。

「へ、ぇ~、けど、所長にこんな可愛い彼女がいるなんてねぇ、びっくりした。」

「ですよね、今、私たちも如月さんから聞いてたとこなんですよ」

・・・

ズキッ

いた・・・

胸が痛い

肩こり・・・かな?

ははっと笑いつつ、自席についてパソコンを開ける。

「羨ましい~、俺もこんな可愛い彼女欲しいっす!」

「ほんとぉ!所長も何とか言ってくださいよ」

私・・・

ちゃんと笑えてるだろうか

大麦の顔が見れない。

だって―、まだ、お試し期間って言っておきながら、女の人に嫉妬心を感じるなんて、どうかしてる。

もう、さっきまで一緒だったのに何でこんな・・・気持ちになるんだろう。
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