最後の恋愛Ⅱ
「どうして?ねぇ、森さん、いいですよね?」

ばっと大麦の腕を掴んで顔を覗かせる。

ひょえっとなって身じろいだ。

気付いてたか

そりゃそうだよね

気付いてるよねフツー

私はあわわっとなって大麦を見遣った。

大麦は心底参ったっていうように面倒くさげに髪を掻いて如月さんの腕を引く。

「やめろ。こいつは関係ない。」

こいつ、って言い方にまたカチンと来たのが、こっから見てても分かる。

火に油を注ぐのは、もうそろそろいい加減にしなさいよ。。。

「するよね、私と勝負!」

如月さんは怖い微笑んで窓ごしに私を見つめる。

「いや、えっとですね。」

あ、年下相手なのに、思わず敬語になった。。。

あああ、もう、勘弁してよぉ

面倒な事に巻き込まないでってば!

「しますよね、まさか、引かないでしょ?」

いやいや、しない、しないよ?

だって、まだ大麦とは、付き合ってないんだってば

「森さん、会社の人に隼人さんとこういう関係だっていうの、黙ってるんですよね?」

おおおおお

そう出たか!

「おい」

大麦は、さぞや煩わしそうに声をかける。
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