最後の恋愛Ⅱ
さっきまで、勢いに乗ってたんだから、ここも乗っとけよ!

空気よめよ、如月っ!

「だからっ、あの、えっと、そう!日下部さんの入れてくれたお茶を飲んで、すっごい美味しいって、それでそういう美味しいお茶を入れるっていうのもプロの仕事として大事なことですよねぇって、そうかそうか、だから、自分もそういうふうにね、さすが、プロ意識が高いのね!よしっ、良いわ。そういうことなら、付き合う!」

有無を言わさず、如月の腕を掴む。

みんなきょとんとしてるけど、お構いなしだ!

「ちょっ・・・」

「給湯室はこっちよ!」

退散だ退散!

とにかく、この場を離れるんだ!

もう、これ以上、この場にこの娘をおいておくことはならんっ!

「離してよっ、あなたと仲良くするつもりなんかないんだからっ!」

こっちだってないよ、んなもん!

いいから、黙ってついてこいっ



大麦は口元を手で隠してパソコンに視線を戻し、ふっと笑みを浮かべた。

弥生がめちゃくちゃ言ってるのを、いいかげん何とかしないとな、と思いつつ黙ってたけど

これまでになく焦る大和が可愛すぎて・・・

たまらなくなる。

「あの・・・、所長?」

声をかけられて、ゆっくりと視線を上げる。

「何だ?」

柊がいる。

恐らく、日下部あたりに言われて来たんだろうな。

俺が顔を下げてるから怒ってるとでも思ったのか、びくついて見える。

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