最後の恋愛Ⅱ
実際のところは全然怒ってもいないし、むしろ楽しんでいるのだが、それはバレないようにしとかないとな。

と、いつもの仕事場似非スマイルをつくってみる。

柊は、おどおどしつつ言った。

「あの、えっとふたりとも、連れ戻して来た方が良いでしょうか?」

ええ?

いやいや、何言ってんだ。

それはないね。

この前も思ったけど、大和は泣き顔もイイ。

けど、困り顔も焦り顔ももっとクル。

ほんと、可愛い。

食べたくなるくらい可愛い。

俺、ほんとどうかしてるな。

欲求不満もここまで来ると、変態域に入ってるんじゃないだろうかと一抹の不安さえ覚えるくらいだ。

だが、もっと見たいわけだ。

俺の知らない大和の顔を。

何か、それだけで結構満足なんだよなぁ・・

ま、それと弥生のことは別だけどな。

あいつ、ほんと何考えてんだ?

確かに何度かメールはきてた。

けど、それは他の女も同じだ。

何度きても無視し続けてたら、大概1ヶ月ほどでメールはこなくなった。

弥生の場合もしかり、特別しつこかった覚えもないけどな。

半年も、音信不通にしてたのに、まさかここにきて動き出すとは・・・。

いや、どこからか俺が大和に惚れたってことを耳に入れたか?

どちらにしろ、めんどくせぇことに変わりはない。
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