楓色






思わず椿が噴出すとしゃべっていた人は椿のほうに向き直った

その人は椿の制服と同じデザインの校章がついた制服を着ている背の高い綺麗な男の子と椿よりは大きいものの男にしては小さめのかわいい男の子だった




楓よりカッコイイ男の子を見たことが無かった椿は顔を紅くして俯いた




その瞬間電車が大きく揺れて椿はパイプから離れてしまった



――ぁあ・・・



離れてしまったものは仕方ないから諦めて吊り革にぶら下がろうと手を伸ばしてみたものの椿の身長では吊り革はおろか、周りのサラリーマンや高校生の身長さえも越しそうに無かった



――そういえば電車に乗るときはいつも楓が庇ってくれてたからなぁ



それでも必死に吊り革めがけてぴょこぴょことしているとさっきの男の子2人組みが笑いながら椿に近づいてきた




「だいじょぶ?」




小さめの男の子が椿に尋ねた

椿が小さな声で「大丈夫」と答えると2人は「そう」とあっさりと返事を返ししばらくしたら波に流されたのか遠くにいるのが(なんとか)見えた




おじさん臭い




いわゆる加齢臭と呼ばれるものに椿が顔をしかめていると椿のスカートの中に手が入ってきた






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