私の生きた証
放課後。
私は奏多に呼ばれて使われていない空き教室にいた。
こんなところに呼ばれたから少しこわかった。
一人で待っていると奏多が来た。
「ちゃんと待っててくれたんだ。
大丈夫。虹巴のことなんて何があっても絶対襲ったりしないから。」
と笑いながら言って私の近くに座った。
「なぁ。虹巴って何でいじめられてんの?」
「何で奏多に言わなきゃいけないのよ。そうやって味方のふりして心の中では笑ってんでしょ。この学校に来たってことは奏多だってお金持ちのボンボンなんでしょ?そんな人に私の気持ちなんてわかるわけないでしょ。」
すると奏多は真剣な顔をした。
「心の中で笑ってなんかない!確かに俺の親父はでっかい会社の社長だよ。でもそれとこれとは違うだろ。俺だってこんなの恥ずかしいけどさ、小学生の時いじめられてたからやっぱ虹巴のこと助けたいって思ったんだよ。」
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