私の生きた証
「は~い。よくできました」
これで開放される…
「じゃあやめやめ!虹巴いじめるのも飽きてきたとこだったから」
笑いながら本郷世羅が言った。

「おい、大丈夫か?」
奏多が手を差しのべてくれていた。
私は素直にその手をとって立ち上がった。
「あ、ありがとう。これでやっと楽しく学校生活を送れるよ。」

すると友里愛が。
「虹巴。ごめんなさい!わたしっ……いじめられるのがこわくて……ごめんなさい!!!」
「そんなに泣かないで。私は大丈夫だから。」

「ありがとう。あのさ、よかったらまた友達になってくれないかな?」

「友達なんてやだ」

「やっぱりそうだよね……」

「私の一番の親友でなきゃやだ!」
友里愛はビックリしていた。
「えっ…私は虹巴を助けなかったんだよ。なのに本当にいいの?」

「当たり前じゃん!私たちの友情はこんなもので壊れちゃうほど儚いの?ちがうでしょ。私たちは固い絆で結ばれてるんだから」

「ありがとう。ありがとう。本当にありがとう。」
友里愛はまた泣いた。
「もう、泣き虫なんだから」
と言いながら私も泣いた。
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