エリー
エリーは、動きやすい様にてろっとした素材の白のワンピースに身を包み、歩き続けている。

ようやく、目的地が見えてきた。

《クロユリ崖》

そこの崖のギリギリのところ、エリーは足を止める。

下に目をやると、それはただの石ころなんかが転がる硬そうな土の大地であった。

そして、目を瞑り彼女は出来事を思い返す。


あの日、母も父もソレイユも....私以外は皆、呪われた。

それなのに、私は呪われ無かった。


そして、家族を救おうと必死になって私はこの地にたどり着いた。

でも、分かった事は....

死神に、呪いにかけられたものは命を徐々に吸い取られてゆくと言うことだった。

ならば、たとえ救ったとしてもう一度幸せが取り戻せたとしても....それは、呆気なく幕を閉じるであろう。


それならば、《クロユリ崖》の名に相応しくここで、私も呪いにかけられればいい。

呪いにかけられて、命を吸い取られてゆく家族とともに共にあちらの世界へゆこう....。



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