エリー

ジェド将軍は、病原体をまき散らしヤクトの町人達を病に苦しめている犯人の手掛かりを掴もうと、その病原体がばらまかされた現地に最も近い、《クロユリ崖》近辺をすたすた歩いていた。

そこで、白いワンピースを着飾った若い女性が、崖の境界に足を踏み込もうとしているのを偶然見つけた。

「君! 何をしようとしているんだ!」

そう言って、無我夢中に彼女をギリギリの所で抱きとめた。

しかし、エリーはそのまま意識が遠といていった。


ただ、ぼやっと見えた気がしたのはまだ若く、黒髪で真っ直ぐとした瞳の青年だった。
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