みかづきさんと僕





「美味しい?」

『はい、とても。』


テーブルに向かい合わせに座るや否や目の前のオムライスを頬張る僕。そんな僕をみかづきさんは頬杖をつきながら目を細めて見ていた。



「よかった。」

『……ねぇ、みかづきさん。』

「ん?」

『さっきは寝てしまってごめんなさい。』

「それは絶対に許さない。」

『ええ!?』


ガシャーンッと大きな音を立ててお皿の上に落ちたスプーン。あまりの出来事で僕の心が砕けた音かと思った。



「あああああ、あの…!ど、土下座したらいいですか…っ」

『どうしてそんな思考回路に辿り着くのか全くもって理解できない。』



蔑むような視線を目の前からダイレクトに感じる。あ、泣きそう。


気持ちを強く、とどこからともなく聞こえたような気がした。



『…………嘘。』

「…………、……へ…?」


思わず零れた間抜けな声に、クスクスと笑うみかづきさん。


『怒ってないよ。』

「…本当に?」

『本当に。』

「………っ、はぁ〜〜よかったぁ…。」


思わずテーブルに脱力。その瞬間、イタズラが成功した子供のように、そりゃあもう天使のような可愛い笑みを見せるみかづきさん。あ、小悪魔か。



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