みかづきさんと僕
みかづきさんは、僕のカノジョだ。
可愛くて、天使のようで。
でも怒ると何をするかわからなくて。
「あ〜美味しかった!ご馳走様でした!」
『…もうお腹いっぱい?』
「ん?ええ、もう充分ですよ?」
『そう…。』
「?」
少し俯くみかづきさんに、どうしたんですか?と言葉の先を促せば。
『……実はケーキも焼いたんだけど…。』
「!!」
『明日に…』
「食べましょう!食べたいです!!」
またそうやって嬉しいことを言う。
『そう、じゃあお茶の準備…』
「あ、僕がするんでみかづきさんは座ってて下さい。」
『え、いいよ。』
「いいから、いいから!」
僕はオムライスが入っていたお皿を持ってキッチンに向かう。その後ろで、別に準備くらいするのに…と呟くみかづきさん。
「僕がやりたいんだからいいんですよ。」
と言えば小さな声でありがとう、と返ってきて頬が緩んだ。
「……ん?」
お皿をシンクに置く時にある事に気付いた僕は思わずみかづきさんに問いかける。
「み、みみみみみかづきさん!」
『(…また″み″が多い。)なぁに?』
「珈琲!あの珈琲飲んだんですか!?」
『飲んじゃダメだったの?』
僕が見つけたのは、中身が空っぽになったマグカップ。
「だって珈琲冷めてたのに…。」
『?』
「美味しくなかったでしょう?」
そう言えば、みかづきさんは可笑しそうにクスクスと笑って。
『みつあきが淹れてくれたんだもの。美味しいに決まってる。』
僕のカノジョは、不意打ちで僕を喜ばすことがとても得意な。
そんな女性です。
「みかづきさん…!今すごく抱き締めたいので、抱き締めてもいいですか…っ!」
『遠慮します。』