みかづきさんと僕
『お〜い。みつあき、なないろ…って何してんのお前ら。』
「露季!」
おお、救世主よ…!!
「助けて!露季!」
『やめろ!手を出すな露季!!』
『え、なに。お前らほんと何してんの。』
廊下でぎゃあぎゃあ騒がしくする僕たちにあちこちから向けられる迷惑そうな視線。周りを見渡した露季は一つ大きな溜息をついて。
『なないろ。自分でみつあきから離れるのと、俺に(物理的に)離されるの、どっちがいい…?』
指をバキバキと鳴らしながらゆっくり近付いてくる魔王さ…いや救世主様に恐怖を覚える。
『いや、でも俺にもやるべき使命が…っ』
『え?俺がいいって?仕方ないなぁ。』
『じ、自分で離れまっす!!!!』
バッと勢い良く両手を上げて俺から離れたなないろに露季は残念そうな声を出す。
『え〜、遠慮すんなよ。』
『してない!してない!!』
「ありがとう露季、助かった〜。」
『んな情けない声出すなよみつあき。』
僕の頭にぽんっと手を置いて困ったように笑う救世主こと露季様に今度は僕が抱き着きそうになった。
あっぶねぇ…、これだからイケメンは。
『で?どうしたよ。』
壁に凭れかかりながら腕を組んでさっきの状況の説明を求める露季になないろは大袈裟な動作で説明し出す。って、腕そんなに振り回すな!当たる!!
落ち着きのないこいつの腹に一発見舞ってやると、唸りながらもそのまま説明を続けるなないろ。不死身かこいつ。
だが、さっきよりは大人しくなったので良しとする。