みかづきさんと僕




嗚呼…今思い返してもおぞましい。あんな拷問のような″お食事会″はもう御免だ。


え?僕が草食系なだけ?いやいや、彼女が超肉食系なだけだし。百獣の王でも目指してたんじゃない?彼女。


まぁ、そんな過去のことはどうでもいい。まずはこの話をどう切り抜けるか、だ。



「…あ、僕今日は用事があった。」

『お前さっき暇だって言ってただろ。』

「そういえば柳葉先生に呼ばれ…」

『柳葉先生は今日大学にいない。』

「………そ、それじゃあ僕はここで…。」


僕はそろりと片手を上げて2人に背中を向けると、脱兎の如く素早くその場から逃げようとした…のだが。


『逃がさねぇよ?みつあき君。』


なないろに肩をがっしりと掴まれて不発に終わる。


「い、嫌だあぁぁああああぁ!!」

『コラッ!往生際が悪い!!』

『諦めろ、みつあき。』


くっそ!露季は僕の味方だと思っていたのに…っ!まさかなないろ側の人間だったなんて!!


僕の周りにはもう敵しかいない!己の身を守れるのは己だけだ!!


って、ああ!!あのお方は僕の所属ゼミの担当教員であらせられる西條先生!!ナイスタイミング!


「さ、西條先生!たすけ……、」

『…………………はッ!』

「…。」



クッソォオオォオオ!!!あの野郎僕のこと鼻で笑って行きやがったあぁあ!!いつも馬車馬のように働いてやってんのに戻ってこいクソジジイィイイィ!!!!



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