みかづきさんと僕
嗚呼、女々しいなぁ。
ため息と共に溢れそうになる言葉を心の中で吐き出した。
ずっと寝転がっているのもあれだし、珈琲でも淹れにいこ。
「みかづきさん、珈琲飲みます?」
『飲む。』
こういう時だけ即答なんだから。パソコンの横に置かれた空っぽのマグカップを手に取って、足をキッチンに向けた。
ポットに水を入れてセットし、お湯が沸くまでの間で珈琲の準備をしながらチラリとみかづきさんを盗み見る。
凄まじい速さでキーボードを叩くみかづきさんはどうやらアイデアがまとまったみたいだ。でも。
(みかづきさん、疲れてる。)
みかづきさんの目元には疲労の色が見え隠れしていた。当たり前だ。朝、僕が家に来た時にはすでに彼女はこの状態だったのだから。時間はゆうに3時間を超えている。
少し休憩をした方がいいと思うんだけど。と、そうは思っていても中々言い出せない臆病な僕。