みかづきさんと僕




怒ったみかづきさんは何をするかわからない…。いつも僕の予想の遥か斜め上を駆け上がる人だ。そりゃもう全力疾走で。



思い出すだけで身震いするほどの数々の事件を過去にも起こしている。


でもこの話は割愛。別に怖いとかじゃないから、マジで。


もう大混乱の頭では正常なことが考えられなくなっていて、僕はゾッと背筋を這い上がる悪寒に震えた。



「て、手足!!!」


ガチャッ


身体の一部が欠けていないことを確認した瞬間に開いたリビングのドア。僕の目線はそっちに釘付け。



「………。」

『………。』

「………。」

『………。』

「あ、……あの………。」



パタンッ


「あああああ待って!待って下さいみかづきさん行かないで!!」


静かに閉まったドアに慌てて手をかけて、みかづきさんのその細くて小さな身体に抱き付いた。


『いきなり手足なんて頭のおかしい独り言を叫ぶ人は私の知り合いにはいないので離してクダサイ。』

「対応が冷たい!」


目線を逸らして、我関せずと言わんばかりに小さく上げられる両手。


抱き締めているはずなのに心が寒い!!




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