不自由恋愛シンドローム
今日は絶対しないとダメなの
2年の教室。

途切れないコール音に苛立った様子の女子生徒。

ショートボブが良く似合う小さな頭に整った顔立ち。
スラリと伸びた手足はどこにいても目立つ容姿だった。

『悪い、今教室行く』

ようやく電話に出た相手は、早口でそれだけ言うと電話を切ってしまった。

「ちょっと、慧?!やだもー、なんなの?!」

そう叫ぶとバッグの中にスマホを乱暴に投げ入れた。

「なに姫華、ようやく白河先輩つかまった?」

帰り支度をしている友達が話しかける。

「今来るって!もう!今日はすぐに教室まで迎えに来てって言ったのに!!」

「まーまー、先輩にも色々あるんだろうし・・・じゃ、バイバイ姫華!」

そう言って連れ立って友達は帰ってしまう。

「色々って・・・なんなのよ!?」

姫華はそれでもひとり悪態をつくのだった。






姫華の部屋。

「ふ・・・・・ん」

ベッドの上で慧が押し倒される形でキスをしている。
唇を離さないまま慧の制服のベルトを外そうとする。

「っ・・・ひめかっ」

抵抗する慧だが、姫華はやめない。

「ゃ、めろって!」

仕方なく力で姫華を制する慧。

「なに?」

「今日は!・・・・もう、帰るから」

「なんで?!」

「真面目に勉強するって言っただろ?!」

「気が変わったの!今日は絶対セックスする!」

「なんでだよ!」

「わかんない!」

「は?」

「わかんないけど・・・・でも、今日は絶対しないとダメなの」

「なんだよ、それ・・・・・」

抵抗の力を抜いた慧の制服を、姫華はまた脱がしにかかった。



慧の長い脚の間に顔を埋める姫華。

「っ・・・・・・」

「ねえ、ハンカチある?」

「え?」

「今日激しくしたい・・・・ハンカチで目隠しして、ネクタイで手縛って?」

「・・・・・・・」

「お願い・・・・」

「・・・悪い、今日ハンカチ無い」

「めずらし・・・・慧のハンカチでしてもらいたかったけど・・・いいやアイマスクあるから」

言うと姫華はチェストからアイマスクを出してきた。

「ね、やって・・・」

慧は小さくため息をつくと、言われた通り姫華にアイマスクを付け
自分のネクタイで腕を縛る。

「痛くないか?」

「うん・・・でも、痛くしてもいいよ」

「バカ言うな、痛かったり苦しかったらすぐに言えよ」

「分かった」

痛くして欲しい、と姫華は思う。
慧にならいくらでも痛めつけられてもいいと。

でも、姫華が何度頼んでも慧は望む痛みを与えてはくれないのだ。

慧の指が優しく姫華の濡れた場所を刺激する。

「あ・・・慧・・・・けいっ・・・・・もっと激しく・・・・!」

慧は指を増やし奥を突く。
姫華の弱い所は分かっていた。

指はそのまま動かしながら舌も使う。
乳首、へそ、下腹部、そして一番敏感な場所。

「あああっ!けいっ!あっあっ・・・・ダメ・・・・・」

これをしたら姫華が我慢出来ないことを知っている。
姫華の内腿が痙攣する。

「ああっ!けい・・・イ・・・・イク・・・・・・・・ふ・・・あああっ!!」

慧は指と舌を動かすことをやめ、姫華の首筋にキスをする。

「ね、入れて?」

「・・・・・いいよ、今日は」

「なんで?!ダメ!入れて!ゴムしないで入れて!」

「んなことできる訳無いだろ・・・・」

「じゃあゴムしていいから!」

慧はため息をつく。

姫華が起き上がり拘束された手で手探りで何かを探す。
指が慧の裸の皮膚をなぞっていく。

「・・・大丈夫だから・・・・入れられるから・・・・」

「ほんとう?」

今姫華の大きな瞳は隠されていたけれど、慧はその下の純粋さを知っていた。

一点の曇りも無く自分に向かってくる気持ち。
目を逸らすことなんて出来ないのに、それは慧をひどく疲弊させるのだった。

慧は手早くゴムを装着すると、濡れたソコに当てる。

「ん、あ・・・・あっ待って!」

「どうした?」

「目・・・取って」

慧はアイマスクを取ってやる。

「手は?」

「手はこのままでいいの・・・・入るトコ、見たいだけだから・・・・」

慧の続ける挿入を、恍惚とした表情で姫華が見ている。

「あ・・あ・・・・」

奥まで入ると動きを止めて姫華の様子を伺う。

「平気・・・う、動いて・・・・」

ゆっくりとしたストローク。
少年特有の、無駄な脂肪の一切ついていない身体。

「あっああっ!慧!もっと・・・」

姫華の望む激しいセックスに応じる慧。

そうしていると心は高揚しないのに、身体は正直に反応する。
どんどん熱が高まって一点に集中していく。
こめかみから汗が流れた。

「ひめか・・・・やばい、もう・・・・・」

「あっあっ・・私も!あ・・・う、後ろから・・」

慧は姫華の身体を反転させると後ろから一気に突いた。
腕の自由の無い姫華は苦しそうな体勢だが、
その方が本人が悦ぶ事を知っているので、慧は構う事無く続ける。
自分の限界も近いので、姫華にこれ以上時間を与える余裕が無い。

姫華が果てると、直後に自分もコンドームの中に射精した。
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