不自由恋愛シンドローム
最悪の仮説
日曜日。
今日は姫華は早朝からロケに出ているはずだった。
何も言ってなかったが恐らく夜までだろうと慧は思う。
午後3時、数学の問題集をこなしていた慧はふいに振動したスマホを手に取る。
取ったものの、キリのいい所まで終わらせてからようやく画面を見た。
ラインが1件。
「せんせ?」
送り主は咲からとなっており、開いてみると
咲がベッドで寝ている写真が一枚送られてきていた。
「え、なに?」
胸騒ぎ。
どういう意味だろうか、それよりここは・・・・
と、咲が寝ている場所について考えていた時、
今度は咲から着信がある。
「もしもしせんせ?なにこれ、どうしたの?」
『・・・・・』
「せんせ?」
『・・・くく・・・』
咲じゃない。
かすかに聞こえた声は男の噛み殺したような笑い声だった。
鼓動が早くなる。
さっきの写真・・・それに・・・・
『・・・先生の写真、見てくれたみたいだね』
「・・・・高平・・・・・」