お見合いに来ないフィアンセ
えっと……二重人格?
今、明らかに人柄がちがったよね?
怖かったけれど。
スマホが再びなりだし、「うわっ」と私は驚きの声があげた。
相手はまた「バカ」と表示されていた。
「小山内さん、どうしましょう?」
「一応、出といて。またバカ話が始まったら切っていいから」
私は通話ボタンを押した。
『いきなり切るな!』
「ようけん」
『はいはい、わかりましたー。明日の集合は午後からだってよ。午前はゆっくり休めとのことだ』
「わかった」
『そんでぇ。さっきの話の続きでぇ。彼女さぁん、俺の電話番号は……』
舘岩さんの声がでれっとなった途端に、小山内さんの運転している目がスッと細くなるのがわかった。
私は慌てて、終了のバタンを押して通話を切った。
これでいいの……かな。
「美月ちゃん、ああいうバカに流されないようにね」
小山内さんが、にっこりとほほ笑んでいつも通りの声に戻った。
「はい……」
でも、小山内さんのお友達なのでは?
「午前中休みになったから、これからどっか行こうか」
「いいんですか? 飲み会があるのでは?」
「行かないよ。美月ちゃんと一緒にいられる大切な時間なのに、飲み会なんてどうでもいい」
「え?」
「ん? どうしようかあ。夕飯、一緒に食べようか。何が食べたい?」
「あーー、なんでも大丈夫です」
「んじゃ、適当に……」
今、明らかに人柄がちがったよね?
怖かったけれど。
スマホが再びなりだし、「うわっ」と私は驚きの声があげた。
相手はまた「バカ」と表示されていた。
「小山内さん、どうしましょう?」
「一応、出といて。またバカ話が始まったら切っていいから」
私は通話ボタンを押した。
『いきなり切るな!』
「ようけん」
『はいはい、わかりましたー。明日の集合は午後からだってよ。午前はゆっくり休めとのことだ』
「わかった」
『そんでぇ。さっきの話の続きでぇ。彼女さぁん、俺の電話番号は……』
舘岩さんの声がでれっとなった途端に、小山内さんの運転している目がスッと細くなるのがわかった。
私は慌てて、終了のバタンを押して通話を切った。
これでいいの……かな。
「美月ちゃん、ああいうバカに流されないようにね」
小山内さんが、にっこりとほほ笑んでいつも通りの声に戻った。
「はい……」
でも、小山内さんのお友達なのでは?
「午前中休みになったから、これからどっか行こうか」
「いいんですか? 飲み会があるのでは?」
「行かないよ。美月ちゃんと一緒にいられる大切な時間なのに、飲み会なんてどうでもいい」
「え?」
「ん? どうしようかあ。夕飯、一緒に食べようか。何が食べたい?」
「あーー、なんでも大丈夫です」
「んじゃ、適当に……」