ワンルームで御曹司を飼う方法
「…………頑張ったんです」
「うん、偉いぞ」
「……好きだったんです、本当に。ずっとずっと。本当は振られたくなんか……なかった……」
「うん、よく頑張ったな」
「蓮が……蓮のこと……ずっと、好きで……本当に……」
「うん、うん」
ボロボロと零れていく涙はついに言葉を掻き消して、私の口からは子供みたいな泣き声と嗚咽ばかりが漏れていった。
素直に泣き続ける私を、社長は何度も相槌を打ちながら抱きしめ続けてくれて。
飼い主の痛みを全部受けとめてくれた優しいペットの腕の中は、生まれて初めて知る心地良い温かさに溢れていて、私は悲しみを全部吐き出し終えるとその心地良さに甘えるようにいつの間にか眠りに堕ちていた。