アフターバレンタイン
タクシーに押し込まれたところまでは覚えている。

気がついたら朝日のさす東向きの自分のマンションで目が覚めた。

「会社行かないと・・・・・・・・・・」

ベッドから抜け出すと、キャミソール1枚だった。脱いだ服はキチンとハンガーにかけてある。

今度理沙におごらなきゃな・・・・・。

気分は最悪、二日酔いで頭はハンパなく痛い。藤野くんと顔を合わせるのも正直辛い。

だけどオトナだからね、失恋くらいで会社は休めない。シャワーを浴びて、簡単にお化粧をして部屋を出た。



「西原センパーイ、おはようございますぅ」

その高い声、頭に響くからやめて。

「昨日はすいませんでしたぁ〜。おかげさまでカレとの約束の時間に間に合いましたぁ」

「・・・・・・・・・・良かったね。今度からはちゃんと気をつけて」
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