師匠と山猫(仮)
お侍さんは、ボクの目の前で一瞬にして死んでしまいました。


ボクも、お侍さん自身も、何が起こったのか理解できませんでした。


そこには、とても背の高い、若い人が、つまらなそうな顔をして立っていました。


「……よぅ。逃げねぇのか。小僧」


若い人はそうボクに言いました。


ぽかんと見上げていると、若い人は舌打ちをしました。

「……親父とお袋か」


ボクの後ろで死んでいる、二人を見て言いました。


「生きてても仕方ねぇってか」


若い人は、眉間に皺を寄せて怖い顔をしました。


そして、ボクに刀を渡したのです。


「死ぬならテメェで死ね」
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