師匠と山猫(仮)
「要りません」


はっきりと告げたボクに、若い人は驚いた顔をしました。


「あなたは強い」


そして、若い人に刀を返して、ボクは微笑みました。


「あなたは強い人だから、ボクが弱く、一人で死んでいくのを、あなたには見られたくありません」

ボクを見つめる、若い人に。

「殺されるなら、あなたに。ボクが強くいられる内に」



ボクの願いに、若い人は、刀を振り上げました。














チン。
刀をしまう、小さな音がしました。
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