ワンダーランドと春の雪
地上がどんどん遠くなっていくのが見える。
私を乗せた龍は更に上昇を続け
先に空で旋回していたマリーちゃんたちと
合流した。
私のあとからジュリーちゃんも追いついてくる。
皆の龍は旋回をやめ、
同じ方向に向かって飛び始めた。
龍の体はごつごつしていたけど、暖かかった。
首元を触ってみるとわずかに脈の鼓動を
感じる。
春の夜のような心地良い風が吹き抜けていく。
月がとても大きい。
雲がこんなに近い。
小さくなった《学園》が見える。
今頃 大騒ぎになってるのかな。
「初めて龍に乗った感想は?」
近くを飛ぶジュリーちゃんが私に尋ねた。
私は笑って、最高だよと答えた。
「よかった。……そろそろマーモンの支配する圏内に入るわ、気を付けてね」