指先に囚われて…


『もしもし?夕さん?』


≪「あ、美弦ちゃん?今何してたの?」≫


『え?何って…友達とケーキ食べてたけど…』


電話を出てすぐに何してたかなんて、今まで聞いてきたことなかったから、驚いて言葉に詰ま
ってしまった。


≪「友達?本当に?いや、美弦ちゃんを疑ってるわけじゃないんだけどね…」≫


『え?夕さん?どうかしたんですか?私何かしちゃいましたか?』


だんだんと不安になってくるその声色はいつもと違う。



< 109 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop