指先に囚われて…



「あ、美弦、時間大丈夫なの?昨日、電話で今日はいつもより早くお店開くんだって…言ってなかった?」


『そ、そうだった!!すっかり忘れちゃってましたっ!有馬君、なんかごめんね。私行かなくちゃっ;』


そう言って、立ち上がりかばんを持ったはずだったのと同時に私のかばんが右手から消え、代わりに夕さんの手が繋がれた。


「店?お前んち、なんかやってたのか?」


『あ、有馬君には言ってなかったっけ?私の家、小料理屋さんなんだ♪居酒屋さんとは違うくて、それに結構近くだから良かったら「美弦っ!行くよ!」


まだ話てる途中だったのに、夕さんが引っ張るのだから結局言えずじ終い。



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