指先に囚われて…


「ほんと…余裕なくなるよ。美弦ちゃんのことになると…俺、もう美弦ちゃんいないと、ダメ…死んじゃう」


『…っ…ふふっ』


「ちょ、なんで笑うの?!」


『だってっ…死んじゃうって…ふふっ…』


“死んじゃう”なんて、なんだか子供が拗ねたような…甘えたような言い方だったものだから、そのことが私は可愛いと思ってしまった。


「俺は真剣に言ったつもりなんだけどな…美弦ちゃんは?俺がいてもいなくても…変わらない?」


< 118 / 121 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop