指先に囚われて…
「いやぁ、これといって何にもできませんでしたが…また来てください。今山君もいつでも歓迎するよ」
時刻はもうすぐ日を跨いでしまう、そんな時間。
本来なら、こうやってお見送りもだめなんだけど今日は特別。
それに、ここが家だしね。
「ありがとうございました。とっても楽しかったです…はい、また来させていただきます。美弦ちゃん、ご飯美味しかったよ。ありがとう」
『…っ』
そう言って、夕さんは私の頭にそっと手を置いて撫でてくれた。